すべてがまぼろしだったとしても、

昨日CD盤・配信盤ともにリリースした新譜

「すべてがまぼろしだったとしても、」

の各楽曲へのコメントをまとめました。


リリースに向けてコメント動画としてTwitterに投稿していた内容とほぼ同じものですが、

改めて裏話として眺めつつ音源を聴いていただくと面白いかも知れません。

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1.神の国

トラックの雰囲気とタイトルでスケールの大きな楽曲だと思われそうですが、実際はスケールの大きさ関係なく世界の仕組みは同じなのではと思いながら詩を書きました。とは言えやちよゆゆは詩に説得力を持たせるために個人的なことしか書けないので、2番にかけてどうしてもパーソナルな部分が出ています。トラックのアレンジのやり方がよく分からないまま進めていますが、王道のバンドアレンジよりはクラシカルな楽器を入れたアレンジの方が迷わずに作れる気がします。



2.自由時間

正確に言うとやちよゆゆではなく10年以上前に中の人が歌詞とメロディーだけ作りためていたものの一つです。頭のかたさは変わらない気がしますが、今と違って愛憎や病気の匂いのしないクリーンな作風だと思います。アルバムの2曲目には基本的に真っ直ぐ勢いのある楽曲を収録したいと思っているので、収まるべきところに収まったなといった感じです。



3.ひかりの底から、

とにかく入れたい音と響きを実験的に重ねて珍しくトラックから作ってみた作品です。

コーラスの入れ方が綺麗になり過ぎずむしろ騒音すれすれの不協和音になるようひたすらこだわりました。

内容については仮歌で自然に出てきたものをほぼそのまま採用したので散文詩のような形になっています。

愛憎を越えたかりそめの和解が許しなのか諦めなのか未だに模索し続けていますが、この作品ではそれは死であると一旦回答を出してみたらしいです。



4.麻酔

ここ半年歯医者に通い続けしょっちゅう麻酔を打たれていたのですが、この楽曲に出てくる麻酔が何のメタファーなのかは聴いてくださる方のご想像にお任せします。お洒落なアレンジにしたくてドラムを跳ねさせてみたりしましたが、まだ修行が必要です、、良くも悪くも分かりやすい楽曲になったかなと思います。



5.角部屋の速度で、

ネガティブ過ぎる歌詞を書いてしまうと大抵お蔵入りになるのですが、トラックで作品にすると弾き語りより少し外向的になることが分かってきました。リズムパターンをいくつか混ぜてみたところと二胡の音を入れたところがこだわりです。個人的にBメロが推しです。サビの畳み掛けは非常に歌いづらいですが切実な内容の時は自然と歌いづらい音形になるものなのかなと思ったりもします。Tiktokで振付作って踊ってみたいなと密かに考えています。



6.アンドロイド

これも弾き語りではまず無理だなと思いトラックで作りました。とにかく低音を強調したくてデモ音源ではゴリゴリだったのですが、アルバム収録にあたりバランスを取るため泣く泣く少し削りました。少し平成感のある懐かしいアレンジになりましたがそこも含めてお気に入りです、駄目押しでホルンも入れています。

次曲のチャイナブルーに繋がるので敢えて何の救いもなく仕上げました。



7.チャイナブルー

正直軽いノリ(眠れなかったとも言う)で夜中に作り始めたらこのアルバムの中で一番開放感のある作品になってしまいました。これもBメロが本当に好きです。歌詞は大したことは歌っていない安定のクズさなので曲とアレンジを聴いていただけると幸いです。でも今回のアルバムの中で一番やちよゆゆらしいかも知れません(あなたの中にいるそれぞれのやちよゆゆを大切にしてくださいね)



8.落葉

歳を取ることにマイナスなイメージを持ってしまう時もあるのですが、多分こういう曲は歳を取る毎にリアリティが増すんだろうなと思います。音像としてはひかりの底から、と少し被るのですが、ただお洒落で綺麗な響きにするのは嫌でむしろ聴いて不快なレベルの不協和音になるようにコーラスをぶつけているので本当に不快な気持ちにさせてしまったらごめんなさい、、後半左右で雨が降るので耳を澄ませてみてください。



9.宝箱の向こう側、

この曲はギター弾き語りのやちよゆゆに限りなく近いですが、どうしてもバンドアレンジで聴いてみたくてトラックを制作しました。去年心身ともに一番しんどかった時期の作品なので今でも聴くだけで大泣きする時があります。コーラスで追い討ちをかけるのも好みが別れるかも知れませんが、これで気が済みました、、思い入れが強過ぎてアルバムの最終曲にするかどうかぎりぎりまで悩みました。冒頭と最後の台詞は病院の先生から毎回言われていたことですが、口にしたことはきっと現実になるので、最後の最後で強がってみました。



10.UFOがやってきたら、

去年救急車を呼んだ後に本当に今回死ぬのかもしれないと思って妙に冷静な気持ちになった夜中に詩を書いて、何だか恐ろしくなり数ヵ月寝かせておいた作品です。

アレンジは淡々とエピローグのような雰囲気にしたいと思いながら、お気に入りの鉄琴はしっかり入れました。

神の国の内容がより日常に近付いたイメージの楽曲です。聴き終わるとそのまま神の国に繋がりリピート出来るところがこだわりです。



今回全体的に死のイメージがつきまとう作品になってしまったのですが、このご時世だからこそ完成させることが出来たのだと前向きに捉えたいです。


コロナ禍になってからどんどん音源をリリースしていますが、まだまだリリースしたい楽曲が沢山あるので、

良かったら見守っていただけますと幸いです。


在宅時間のお供になれますよう、

そして皆様が健康に過ごせますように。


20210723.やちよゆゆ